お疲れ様です。
大手インフラ業界総合職で入社2年目から1年間新卒の採用担当をしていた社会人4年目のゆうゆうです。
「ガス業界と電力業界の違いが分からない」
「東京ガスと大阪ガスの差別化が難しい」
という相談をよく就活生からよく受けます。
この部分をしっかり理解していないと面接で質問を受けた時にうまく対応できるか不安ですよね…

でも、大丈夫です!
今回の記事を読んでいただければ、ガス業界の就職活動を進めていくために必要な知識を手に入れることができます。
今回説明する内容は以下の3つです!
- ガス業界とは
- 大手2社の特徴・今後の動向
また、今回の記事では以下のような読者を想定しています!
- ガス業界志望の就活生 ← メイン
- ガス業界への転職希望者
- ガス業界への投資を考えてる人
それでは説明していきます。
ガス業界とは

ガス業界とは何か?
ガス業界とはガスの販売や供給を行い人々の生活を支える業界です。
つまり、社会基盤を支えるインフラ業界の一つです。
ガス業界の全体像

ガス業界の総売上高は4兆7,463億円です。
ガス業界には以下の企業が所属しています。
- 東京ガス
- 大阪ガス
- 北海道ガス
- 北陸ガス
- 東邦ガス
- K&Oエナジーグループ
- 京葉瓦斯
- 静岡ガス
- サーラエナジー
- 広島ガス
- 西武ガスHD
かつては拠点地域に根付いた経営を実施していましたが、電力・ガスの小売自由化が進むにつれて顧客シェアの取り合いが激化しています。
各企業の営業成績などについては「インフラ業界優良ランキング記事」でも詳しく解説しています。
ガス小売り自由化

2017年から全面的に始まった「ガス小売自由化」。
ガス小売自由化が始まった背景としては独占を禁じるためです。
それまではガス会社を顧客自身で選ぶことができませんでした。
しかし、ガス小売自由化が行われたことで、ガス業界に競走が生まれ、さらには他業界からの企業の参入が起こりました。
その結果、ガス料金を最大限抑止することに繋がりました。
さらには、ガス業界自体の競争力を強化し、国際展開も視野に入れています。
大手2社の特徴・今後の動向

それではこれからガス業界の大手2社の特徴と動向について説明していきます。
これから説明するのは以下の2社です。
- 東京ガス
- 大阪ガス
東京ガスとは

- 売上高:1兆7,651億円
- 営業利益:776億円
- 従業員数:16,832人
- ガス販売量:129.9億m3
東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、茨城、山梨を拠点とする最大のガス企業「東京ガス」。
ガス業界全体のガス販売量(366億m3)のうち約35%のシェアを持っています。
東京ガスの特徴

都市ガスが主力商品
以下の表は東京ガスの2020年度決算書セグメント別指標です。
2020年度売上高 | |
セグメント合計 | 17,651億円 |
ガス合計 | 11,467億円 |
都市ガス | 9,677億円 |
LNG販売 | 1,394億円 |
売上高の約65%が「ガス分野」の売り上げであることがわかりますね!
…日本のガスの3分の1を支えてるだけにすごい数字ですね。笑
そんなガス分野においては約90%が「都市ガス」の売り上げであることがさらにわかりますね。
ちなみに、都市ガスとは街全体にガス配管を張り巡らせて家庭や工場で使用できるようにするガスのことです。
また、LNGとは液化天然ガスのことで、自然界に存在する炭化ガスという気体を冷却して液体にガスのことを言います。
前年度比較から見る特徴

東京ガスの決算で前年度との違いで注目すべきなのは以下2点のポイントです。
- JPEX価格の高騰
- 巣ごもり需要の増加
JPEX価格の高騰

まずは「その他利益増減」の「JPEX価格高騰影響」の影響を見ていただきたいです。
このJPEX価格の高騰が大きく影響し、東京ガスは前年と比較し利益が大きく減少しました。
JPEX(Japan Electric Power Exchange)とは日本卸電力取引所のことを指し、日本で唯一電力の卸取引ができる場所です。
このJPEXは電力小売自由化に伴い設立された電力のマーケットなんです。
JPEX価格の高騰は大きく以下の2点です。
- 発電所トラブルによる供給力減少
- 急な気温変化による需要の増加
2020年度は関西電力の火力発電所のトラブルやLNGの在庫規制によりJPEX価格が高騰し、東京ガスの経営に悪影響を与えたのです。
巣ごもり需要の増加

「新型コロナ影響」の「都市ガス粗利増」の部分に注目していただきたいです。
巣ごもり需要で実のところ、収益は大きく増えているんです。
しかし、全体で見るとJPEX価格高騰による損失が大きすぎて、コロナによる利益では相殺できなかったというのはありますね。
東京ガス今後の動向

2020年度東京ガス「有価証券報告書」には以下の内容を重点的に行うことを明記していますね。
- 再生可能エネルギー電源の導入拡大
- 天然ガスの有効利用拡大
- カーボンニュートラルなエネルギーの普及促進
- 水素製造コストの低減
- CO₂のマネジメント技術開発
特にカーボンニュートラルはSDGsの観点からも非常に注目度の高い分野です。
ぜひ受ける前に一緒に勉強しましょう。
SDGsについては「SDGsについての面接対策記事」、カーボンニュートラルについては「カーボンニュートラルについての面接対策記事」でも詳しく解説しています。
大阪ガスとは

- 売上高:1兆3,641億円
- 営業利益:1,124億円
- 従業員数:20,941人
- ガス販売量:71.5億m3
大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山を拠点とするガス企業「大阪ガス」。
ガス業界全体のガス販売量(366億m3)のうち約20%のシェアを持っています。
つまり、東京ガスと大阪ガスの合計でガス業界全体の半分以上の販売量を占めている計算になりますね。
大阪ガスの特徴

大阪ガスの特徴として「海外企業との積極的な提携」があります。
2020年度 | 2019年度 | |
経常利益 | 1,277億円 | 860億円 |
大阪ガスの経常利益を見ると昨年度と比較して利益が増加しているのが分かると思います。
理由はフリーポートLNGプロジェクト、サビン・シェールガスプロジェクトの増益が大きかったからです。
- フリーポートLNGプロジェクト
- サビン・シェールガスプロジェクト
フリーポートLNGプロジェクト

フリーポートLNGプロジェクトとはフリーポート社がオペレーティングしている、アメリカのLNG(液化天然ガス)市場から調達した天然ガスを輸出用に液化加工するプロジェクトです。
サビン・シェールガスプロジェクト

サビン・シェールガスプロジェクトは大阪ガスのアメリカ・テキサス州でのシェールガス開発事業のことです。
2019年に日本企業としては初めてアメリカのシェールガス会社の買収を行いました。
このサビン社の買収により大阪ガスは年間170万トンのLNGを生産できる鉱区を手に入れることができました。
海外企業の積極的な提携

以上、2つの増益に結びついた海外企業との戦略的な業務提携が大阪ガスの特徴だと思います。
大阪ガス今後の動向

大阪ガス中期経営計画2023に記載されている大阪ガスの重点取り組みは以下の6つです。
- 低・脱炭素社会の実現
- NEWノーマルに対応した暮らしとビジネスの実現
- お客様と社会のレジリエンス向上
- 事業ポートフォリオ経営の進化
- デジタルトランスフォーメーションによる事業変革
- 従業員一人ひとりの価値の最大化
大阪ガスの中期経営計画の中で特に良いなと感じるのは
「NEWノーマルに対応した暮らしとビジネスの実現」の中の「海外エネルギー事業」ですね。

大阪ガス海外エネルギー事業の取り組みは以下の3つです。
- 天然ガスの普及拡大
- 再生可能エネルギー事業拡大
- 北米事業推進体制の強化
インフラ企業は安定思考になることが多いのですが、大阪ガスは積極的な投資による事業拡大にすごい力を入れていることがわかりますよね。
そして、現在海外投資が上手くいってる事実が経営陣の頭の良さがわかりますね。
まとめ

今回の記事では「ガス業界の就職活動を進めていくために必要な知識を手に入れるため」に
ガス業界の業界研究を行なってきました!
今回説明したのは以下の内容です。
- ガス業界とは
- 大手2社の特徴・今後の動向
大人気のガス業界。
今回の記事を読んで少しでも就活の手助けができたら幸いです。
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