お疲れ様です。
大手インフラ業界総合職で昨年まで新卒の採用担当をしていたゆうゆうです。
- 海運業界志望だけど、何を勉強したら就活で有利になるのか?
- 海運業界はコンテナ輸送の割合が大きいけど、コンテナって何?すごいの?
- ONEってなに?

海運業界はイノベーションの起きにくい業界です。
そんな海運業界の仕組みを大きく変えるきっかけとなった「コンテナ輸送」について知らないのは非常にもったいないことだと思います。
今回の記事を読んでいただければ、海運業界を受ける前に必ず知っておくべき「コンテナ」についての知識を得ることができます。
コンテナを理解することは他の就活生と大きな差別化に繋がるので、しっかり勉強しましょう!
今回説明するのは以下の内容です。
- そもそもコンテナとは何か?
- コンテナは海運業界最大のイノベーション
- 海運業界大手3社のコンテナ輸送「ONE」について

今回の記事では以下のような読者を想定しています。
- 海運業界を目指す就活生 ← メイン
- コンテナについて興味がある人
- 海運業界に転職したい人
- 海運業界に投資したい人
今回の参考図書はマルク・レビンソンが書かれた「コンテナ物語」という本です。
面白い本なので、興味がある人はぜひ読んでみてください。
それでは説明していきます。
そもそもコンテナとは何か?
物流=コンテナ

あなたはコンテナって聞いたことありますか?
恐らく、一度は聞いたことも見たこともあると思います。
上の画像にある鉄の「箱」のことです。
コンテナは毎日船、鉄道、トラックなどで運ばれてますよね。
現在、世界では約1億8,000万個のコンテナが存在し、世界貿易の約60%がコンテナによる輸送となっています。
しかし、コンテナは1950年代に発明された技術と海運業界全体でいうと非常に新しい技術です。

なぜコンテナはこれだけ輸送に影響を与えたのでしょうか?
それはこのコンテナの発明によって、貨物の輸送コストを大きく圧縮したからです。
コンテナが普及した結果、およそ10年間で世界の工業製品貿易の伸びは工業生産高の2倍、GDPでは世界経済成長率の伸びの2.5倍となりました。
以下、詳細に説明していきますね。
コンテナの誕生背景

コンテナはアメリカの企業家「マルコム・マクリーン」によって発明されました。
トラック輸送会社の経営者として若く成功を収めたマクリーンが、輸送事業の本質と問題点を見抜き、その対策として生まれたのがコンテナでした。
- 輸送事業の本質:列車や船を動かすことではなく、貨物を運ぶこと
- 輸送事業の問題点:複数の労働者を通すため輸送コストが高い
コンテナが誕生するまでの輸送事業は運送コストが莫大でした。
理由としては、目的地に貨物が届くまでに複数の人間の手を渡るからです。

- 工場から港までの陸上運賃
- 港での待ち時間の費用
- 船に貨物を入れるための人件費
- 海上運賃
- 船から貨物を降ろすための人件費
- 目的地までの陸上運賃
特に、船から貨物を入れたり、降ろしたりする人件費が莫大で輸送コストの半分を占めていました。
マクリーンはこの問題点は「貨物中心でない輸送システム」だと考えました。
コンテナ登場まえの世界では船に貨物を乗せるのも降ろすのも全てが人力であったため、労働者が団結してストライキを起こされるたびに輸送コストは上がり、輸送にまでかかる時間は増加しました。
つまり、輸送システムは「労働者中心」だったのです。

正直、貨物を送った側からするとそんな労働問題のいざこざに巻き込まれたくないですよね。
そこで、マクリーンはコンテナという均一の箱を用いて、クレーンなどの機械による自動化を行ったことにより輸送システムから労働者を減らしました。
その結果、輸送コストは大きく削減し、貨物のお送り主中心の輸送システムに生まれ変わったのです。
コンテナは海運業界最大のイノベーション
コンテナはただの箱じゃないよ

コンテナはただの物を入れるだけの箱のように見えますよね。
今回、その認識を改めて欲しいです。
コンテナの価値は物自体ではなく、使われ方に大きな価値があるからです。
というのもコンテナは海外貿易を大きく促進し続ける原因になっているからです。
コンテナの誕生により輸送コストは大きく削減されました。

その結果、製造業は地元から世界へ出ていきました。
つまり、大量に商品を作り、大量に売ってコストを下げる方式に変わっていきました。
コンテナはグローバリゼーションに大きく貢献したのです。
そのため、コンテナは全世界の労働者と消費者に影響を与えたイノベーションだったのです。
輸送コスト減少の影響
商品価格の下落

輸送コストが減ったことにより、貿易の増加と高速化が進みました。
その結果、貿易の拡大とともに商品価格の下落が起こりました。
というのも輸送コストが下がったことにより、たとえ遠くても安い労働力や土地があるところで生産ができるようになり、原価が大きく下がったからです。
生活水準の上昇

安い商品を輸入できるようになったことにより、世界中どこでも安価に商品を手に入れることができるようになりました。
労働者権利の弱体化

輸送コスト減少の結果、国際競争に晒されるようになりました。
そのため、どこからでも材料を調達できるようになり、経営者は交渉時に有利になりました。
なぜならば、労働者は材料などと比較して機動性に欠けるからです。
海運業界大手3社のコンテナ輸送「ONE」について

それでは日本の海運業界大手3社のコンテナ輸送「ONE」について解説していきます。
そもそも海運業界大手3社とは以下の企業です。
- 日本郵船
- 商船三井
- 川崎汽船
海運業界については「海運業界についての記事」を読んでください!
ONEとは


あなたはONEについて知っていますか?
ONE「Ocean Network Express」の略で、2017年に日本郵船、商船三井、川崎汽船の大手3社がそれぞれのコンテナ事業を統合して生まれた会社です。
2020年度の決算は売上高1兆3891億円、純利益115億円です。
従業員数は635人、本部所在地はシンガポールです。
各社のONEへの出資比率は
- 日本郵船:38%
- 商船三井:31%
- 川崎汽船:31%
となっています。
ONEの特徴


従業員数は600人で、濃いピンク色のコンテナ船が特徴です。
その他にもONEには以下のような特徴があります。
- 運航船舶数:220隻
- 世界事業拠点:110カ国以上
- 運航航路数:130航路
- グローバルシェア:6位
ONEは世界シェアの7%を占めており、今回のコロナで一段と大きく成長することを期待されています。
世界と戦っていくために、今までライバルだった企業が手を組むって少年漫画みたいでいいですよね。
海運業界企業の経営成績については「インフラ業界優良ランキングの記事」でも詳しく解説しています。
まとめ


いかがでしたか、今回の記事では海運業界を受ける前に必ず知っておくべき「コンテナ」について説明させていただきました。
今回説明したのは以下の内容です。
- そもそもコンテナとは何か?
- コンテナは海運業界最大のイノベーション
- 海運業界大手3社のコンテナ輸送「ONE」について
インフラ業界はイノベーションが非常に起きづらい業界です。
そんなインフラ業界で起きたコンテナというイノベーションは就活生に必ず抑えて欲しい歴史です。


また、インフラ業界のイノベーションに興味がある人は「モビリティ革命”MaaS”」についても調べてみていただきたいです。
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MaaSについては「SDGsとMaaSの関係性についての記事」でも詳しく解説しています。
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このブログではインフラ業界志望者のための記事を多数準備しています。
インフラ業界については「インフラ業界についての記事」「インフラ業界優良企業ランキング記事」でも詳しく解説しています。
ONE Japanは日本におけるただの代理店ですよ。ONEの本体はONE Japanではなく、シンガポールにあるOcean Network Express Pte. Ltd. です。
のぶさんご指摘頂きありがとうございました!
誤った理解をしていました。
おかげで記事内容の誤記に気づき訂正することができました🙇♂️
本当にありがとうございます!!!