お疲れ様です。
インフラ業界総合職で入社2年目から1年間新卒採用をしていた社会人4年目のゆうゆうです。
あなたはSDGsとビットコインについて知っていますか?
名前は知っているけど、実際どんなものなのか分からないんじゃないんでしょうか?
そして、この2つには、実は深い繋がりがあることは更に知らないんじゃないでしょうか?
実は色んなこととSDGsって繋がってるんだと感じて欲しく、この記事を作成しました!
今回の記事を読んでいただければビットコインについて、そしてビットコインがSDGs1(貧困)の達成に繋がること、またSDGs13(気候変動)達成の邪魔をする理由についてわかります。
今回説明するのは以下の内容です。
- ビットコインとは?
- SDGsとビットコインの関係とは?
また、今回この記事は以下のような読者を想定しています。
- SDGsについて知見を深めたい人
- ビットコインがどうやって広まったのか興味がある人
それでは説明します!
ビットコインとは?

それではビットコインについて説明していきます!
ビットコインの誕生背景
政府から独立した通貨の需要増加
皆さんは2008年にあった世界を揺るがした大事件を覚えていますか?
それはアメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻により発生したリーマンショックです。
この出来事により世界中が大不景気になります。そしてこの大不景気に対するアメリカ政府の対応が大きな社会問題を生みました。

それは銀行の救済です。
詳しい説明は省略しますがこのリーマンショックは銀行が大きなリスクを取り過ぎてしまったために発生しました。
しかし、リターンを取るためにリスクを取り、なおかつ失敗した銀行に対して、政府は多額の援助金を出しました。
理由としては銀行を潰すことは経済の混乱や多数の失業者を生むからでした。
しかし、これは非常に不公平です。
というのも、税金の使い道がリスクを取り過ぎた高給取りの銀行マンを救済するために使われ、しかもボーナスまで払われていたからです。

他の企業からしたら被害者ではなく加害者が救済されているような気持ちでした。
リーマンショックを機に多くの国民は政府と銀行の関係性に不信感を抱きました。
そして政府の政策に左右されない新しい通貨の需要に火がついたのでした。
ビットコインの設計思想

そんな状況下で求められてきた通貨の条件は「完全な匿名性があり、取引コストが極端に低く、簡単に送金できる決済手段」でしたが、破綻のリスクや政府の監視のリスクなど多くのハードルがあったため実現は困難でした。
しかし、2008年にサトシ・ナカモトとと名乗る人物から開発者アダム・バッグに突然送られてきた一通のメールからビットコインの歴史が始まります。
メールには「P2P(人から人)で、第三者機関に全く頼らない新たなシステムの開発に取り組んでいる」という書き出しで9ページのPDFにビットコインの構想が記されていました。
そのビットコインの構想は「すべての取引とユーザーの保有高を、すべてのユーザーのコンピューターを使って、コミュニティが維持・管理するデータベース(これがブロックチェーン)上で追跡・記録するシステム」でした。
ビットコインの仕組み

ビットコインでは、各ユーザーが1つ以上のビットコイン・アドレス(口座番号)と対応する秘密鍵を所有しています。
取引時
ビットコインは公開鍵暗号を用いているため、ユーザー自身が取引を承認して持ち主を自分だと証明できます。
取引(自分のアドレスからビットコインの送金手続き)を承認するとその情報がビットコイン・ネットワーク上の全コンピュータに通知します。
ネットワーク上のコンピューターは過去の全取引を調査してユーザーが送金するための資金を所有することを確認します。
確認後、取引に関する情報はブロックチェーンの末端に連なる「ブロック」を全て、記録したリストに追加します。
ビットコインが市場に出るタイミング

ビットコインの仕組みで最も重要になるのは民主的な意思決定が組み込まれている点です。
ビットコインの取引が行われるとそれらをまとめたリスト「ブロック」が作られます。これを台帳「ブロックチェーン」に記録する際にビットコインは発生します。
というのも新たなブロックが作られると全てのコンピューターがそのブロックをブロックチェーンに記載する権利を手に入れるために競走するように設計されています。
そして権利を手に入れ、ブロックチェーンを更新したコンピュータに対して新たなビットコインが生成され付与される仕組みになっています。

競走の際にコンピュータの中で意見が割れた場合(例えば一部のコンピュータはそんな取引は存在しなかったとみなした時)は多数派の意見を支持するようにできています。
そのためビットコインはオープンソースのソフトなので誰でも変更を加えることができるが、大多数のコンピュータに変更が認められて初めて有効になります。
ビットコインはどうやって受け入れられたのか?

そもそも通貨とは
金本位制通貨
通貨に絶対に必要なものって何だかわかりますか?
そう、それは「信頼」です!
現在の私たちが利用している円・ドル・ユーロには強固な信頼が存在しています。
しかし、信頼を築くことは大変なことです。
そもそも信頼を築くことが困難だから金本位制が20世紀時点では最も人気のある通貨制度でした。

金本位制とは一国の貨幣価値(円・ドル・ユーロ)を金に裏付けられた形で金額を表すものだったので、紙幣自体が実体のある金の交換券であったからです。
しかし、金本位制にはもっと重要な側面がありました。

それは政府の中央銀行に制約を課す役割を果たしていたことです。
通貨が金に裏付けられているので、金がなくなればそれ以上に紙幣などの通貨を発行することができないし、支出も止めなければいけませんでした。
つまり、政府が無制限に紙幣を印刷し、長期的視点で通貨の価値を下げることを防いでいたのでした。
現在の通貨

1971年にニクソン大統領により金本位制が終わりました。
それ以降は中央銀行が好きなだけ紙幣を増刷できるようになりました。
なぜ、金の裏付けがなくても通貨に価値があると僕たちは思っているのでしょうか?
それは他の人たちも通貨に価値があると「信頼」しているからです。
こうして現在の通貨は市場の需要によって価値が変動することができるようになりました。
現在の通貨の課題

現在の通貨制度では中央銀行の通貨政策に自身の金融資産が左右されるリスクを含んでます。
そのため、「ネットワークベースで中央銀行も取引きコストも必要ない」ビットコイン・システムが求められたのでした。
しかし、ビットコインにも世間に受け入れられるための大きな壁がありました。
それが「信頼」です。
ビットコインが信頼を勝ち取るまで

シルクロードによる発展
ビットコインが初めに普及する原因を作ったのはマジックマッシュルームを売買する違法サイト「シルクロード」でした。
シルクロード作成者のロスは家で作成したマジックマッシュルーム(笑)をネット販売する方法を探していた。
マジックマッシュルームの販売は(もちろん)犯罪のため、政府の監視の外側で取引は行わなければいけません。
そんな時にロスが出会ったのがビットコインでした。
ビットコインは匿名性が高いため取引関係者の名前が特定できないようになってます。
そのためロスはビットコインを利用することで違法な商品が匿名で売買できる違法サイト「シルクロード」を立ち上げました。
ちなみに、2022年に映画にもなるそうですね。笑
そして、取引の足がつかないシルクロードは非常に人気な違法サイトになっていくのでした。
シルクロードのおかげで?現実世界の決済手段としてビットコインが使われるようになったのでした。
現在までの流れ

シルクロードによってビットコインが少しずつ広まった後は、政府に縛られることが嫌いな自由主義者(リバタニアン)が政府と紐づいてない安全な資産としてビットコインを使い始めます。
次に、税金がかからない送金方法としてシリコンバレーの金持ちから目を付けられます。
最後に政府がビットコインをお金と認めたことによって、ビットコインは現在の位置を獲得していくのでした。
SDGsとビットコインの関係とは?

そもそもSDGsとは
SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の頭文字を取った言葉です。
SDGsと書いて、「エス・ディー・ジー・ズ」と読みます!
SDGsは簡単に言うと、世界の全ての国が一つになって解決するべき世界規模の課題です。
SDGsには目標が17個設定されており、それら全てを2030年までに達成することを目指しています。
SDGsについては「SDGsについての記事」で詳しく解説しています。
ビットコインがなぜSDGs1の達成に繋がるのか?

SDGs1貧困とは
SDGs 1「貧困をなくそう:あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」は、経済の不平等をなくすことを目標にしています。
不平等をなくすためには、土地、財産、技術などが保証されなくてはなりません。
しかし、財産に関して説明すると、現在世界中で約17億人が自身の銀行口座を所有していません。
そして、そのほとんどが貧困層です。
銀行口座がないと貯金や借入ができません。
つまり、資産形成や起業などが非常に行いづらいのです。
また、銀行口座を所有していても自分の国の経済が安定しているかも大事な要素です。
なぜならば、現座の通貨は国が発行している物であり、その通貨の価値は国の経済によって大きく左右されるからです。
例えば、アルゼンチンのペソのような信頼されていない通貨ではハイパーインフレがしばしば発生したます。
そしてハイパーインフレが発生すると、必死に貯めてきたお金が突然紙屑に変わります。
直近の話をすると、アルゼンチンは2021年のインフレ率は50%以上です。
つまり、去年まで100円で買えていたものが来年は150円必要ということです。
そんな状況では、信頼できない通貨を貯金しようとは考えませんよね。
ビットコインによる金融の平等化

そこで、ビットコインの出番です。
ビットコインは国が発行した通貨ではないため、国の経済政策に左右されず、スマホひとつで引き落とせます。
そのため、銀行口座を作れない人や自国の通貨で貯金したくない人たちの資産形成や起業をアシストする手段になり得るのです。
だからこそビットコインは、SDGs 1「貧困をなくそう:あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」ポテンシャルを持っているんです。
ビットコインがなぜSDGs13の邪魔をするのか?

SDGs13気候変動とは
SDGs13 「気候変動に具体的な対策を:気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」では、気候変動による気温上昇や災害の増加を止めることを目標にしています。
1880年から2012年にかけ、地球の平均気温は0.85℃上がりました。
気温上昇や災害の増加が進むと、水不足や食糧不足、移民や内戦や砂漠化のような問題が各国で発生すると予想されています。
2018年のネイチャーに掲載された研究では「温暖化が1.5℃上昇と2℃上昇の違いで、大気汚染による死者数が1億5000万人以上増える」というデータが示されたこともあります。

また、気候変動は経済の発展にも大きく影響します。
過去からの調査で、平均気温が1℃上がるごとに、GDPの1%に相当するコストがかかることが分かっています。
日本のGDPは550兆円、つまり日本で言うと平均気温が1℃上昇すると55兆円の損失が生まれるのです。
気候変動は自然にも経済にも影響を与えるため、SDGsの最重要課題です。
気候変動については「カーボンニュートラルについての記事」でも詳しく解説しています。
ビットコインの課題とは

しかし、ビットコインには「電力を使いすぎるという」課題があります。
そして、その課題はSDGs13の達成を邪魔する可能性があります。
以下、その理由を説明していきます。
あなたはビットコインがなぜ電力を使いすぎるかを知っていますか?
それはビットコインを生み出す作業には膨大な計算が必要であり、その計算のために動かすコンピューターの電力量が非常に大きいからです。
このビットコインを生み出す作業を「マイニング(採掘)」と言います。
このマイニング(採掘)の概要については「ビットコインが市場に出るタイミング」でも話しましたが、
取引が発生し、ビットコインを生み出される時に、ネットワーク上の全コンピューターがその取引を確認します。
そして、最も多くのコンピューターから、その取引によりビットコインをもらうべきだと支持されたユーザーの台帳(ブロック)にビットコインが追加されます。(ブロックチェーン)

そして現在、このビットコインのマイニング(採掘)に使われている電力量が、世界中の太陽光発電で生み出される電力量以上なんです。
少しずつマイニング(採掘)に使用される電力は、再生可能エネルギーから発電された電力に置き換えられています。
しかし、それでもマイニング(採掘)に使用される電力のうち70%以上は火力発電で生産された電気です。
そして、火力発電で発電した電気を使うことは、二酸化炭素を排出することを意味します。(しかも、膨大な…)
さらに、マイニング(採掘)中のコンピューターを冷やすための空調設備にも大量の電力が使用されています。。。
今後も、ビットコイン以外の仮想通貨で同様のマイニングシステムが使われていくのであれば、この課題は今まで以上に真剣に考えなければなりませんよね。
したがって、ビットコインの拡大はSDGs13「気候変動」達成の邪魔をする可能性があるのです。
ダイキン工業の取り組み事例

ビットコインの生産作業「マイニング(採掘)」ではコンピューターの演算とコンピュターを冷やす空調に多くの電力を使います。
この空調設備の課題を解決するキープレイヤーが日本が誇る空調設備メーカー「ダイキン工業」です。
ダイキン工業の取り組みを簡単に説明します。
例えば、ダイキン工業は消費電力の大きいモーターの効率向上のために、空調内のモーターの回転子内部に永久磁石を埋め込んでいます。
つまり、初めにエネルギーを与えてしまえば、モーターの回転を持続させることができるんです。
この結果、使用する電気が大きく減ります。

他には圧縮機の改善があります。
空調設備の消費電力のうち8割が空気を高圧な空気に換える「圧縮機」です。
ダイキン工業の圧縮機は他社のピストンが回転するロータリー圧縮機とは異なり、スクロール式の圧縮機を採用しています。
スクロール式の圧縮機は超簡単に言ったら密閉された扇風機みたいな構造です。
ダイキン工業はスクロール式を採用することで12.5%以上のエネルギーロスを実現しました。
ダイキン工業は少ないエネルギーで冷やす性能を持続できる研究を進めており、SDGsに貢献しているんです!
三菱電機の取り組み事例

コンピューターの電力量を減らすために注目されているのが半導体の一つである、パワー半導体です。
パワー半導体とはコンピューターの電気の流れを制御する役割を担っている部分です。
そのため、パワー半導体の性能向上は電力ロスを減らすことに繋がります。
三菱電機はパワー半導体の世界シェア3位の実力を持っています!
三菱電機はSiC(シリコンカーバイド)を基板に使う技術が非常に強い企業です。

SiCは低消費電力で動き、高温な環境にも適応できるため、基板の小型化に貢献しています。
三菱電機は2021年から2025年度までの間にパワー半導体の売上高を1.6倍にすることを目指して、現在大きな投資を実施しています。
このような低消費電力で動く、半導体が増えれば増えるほど、コンピューターに必要な電気が減り、SDGs13の達成に繋がります。
まとめ

今回の記事では、ビットコインについて、そしてビットコインがSDGs1(貧困)の達成に繋がること、またSDGs13(気候変動)達成の邪魔をする理由について説明してきました。
今回説明したのは以下の内容です。
- ビットコインとは?
- SDGsとビットコインの関係とは?
ビットコインの誕生背景は政府の政策に左右されない自由なお金を実現させるためでした。
そして、ビットコインは銀行口座を持たない人の資産形成や起業の促進に繋がるためSDGs1貧困を解決するポテンシャルを持ちます。
また、ビットコインの生産には多くの電力を使うため、SDGs13気候変動を邪魔する可能性があります。

ビットコインが信頼されるためのはじめの一歩が違法サイトなのは非常に面白いですよね。
SDGsは色んな部分繋がっています。
そして、就活において、SDGsを意識することは優良企業探しにも繋がります。
ぜひ、志望企業のホームページなどでSDGsについて調べてみてください!
SDGsに関しては、「SDGsとDXについての記事」「SDGs5ジェンダー平等についての記事」「SDGsとMaaSについての記事」「SDGsとESGについての記事」でも詳しく解説しています。
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